今後の太陽光発電導入予想
日本では「エネルギー基本計画」(2014年4月閣議決定)において、「住宅については、2020年までに標準的な新築住宅で、2030年までに新築住宅の平均で住宅の年間の一次エネルギー消費量が正味(ネット)でゼロとなる住宅(以下、「ZEH」という)の実現を目指す」とする政策目標を設定しています。
経済産業省資源エネルギー庁は、この目標の達成にむけたZEHロードマップの検討をおこない、そのとりまとめを2015年12月に公表しました。
ZEH(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)とは、エネルギー利用の方法を工夫することで、一次エネルギーの年間消費量がゼロまたはおおむねゼロになる住宅を指します。(=自宅で消費するエネルギー量より自宅で創るエネルギー量が多い)
エネルギー利用の工夫の具体的な方法としては、高断熱や高効率照明などによる省エネルギー性能の向上のほか、太陽光発電システムや太陽熱利用といった再生可能エネルギーの導入などがあげられます。
さらにCO2排出量削減の観点から、「ライフサイクルカーボンマイナス住宅(LCCM住宅)」についても、早期実現を目標とすることが打ち出されています。
現在、低炭素社会を目指し、平成22年度に政府が示した「新成長戦略」(平成22年6月18日閣議決定)には我が国の長期目標として、2020年に温室効果ガスを1990年比で25%削減と掲げられている一方で、住宅の高断熱・高気密化や機器の効率化の進展にもかかわらず、住宅分野における二酸化炭素排出量の増加が続いており、住宅分野では、まず省エネルギー化の推進による二酸化炭素排出抑制を図り、建築物の更なる省エネルギーを進めることが必要不可欠です。
こうした背景のもと、生活時において一層の省エネルギー化を図ることによってCO2排出量をできるだけ減らし、さらに太陽光や太陽熱など再生可能エネルギーを利用してCO2排出分を上回るエネルギーを創出します。これにより、1年ごとの収支をマイナスとし、さらに建設時および廃棄時にかかるCO2排出量を少なくすることで、住宅の一生のCO2の収支をマイナスにしようという考え方から提案された住宅のことをLCCM住宅といいます。
このように、省エネルギー基準への適合義務化に向けて太陽光発電システムをはじめとする新エネルギー機器の導入など、住宅の省エネルギー化の動きは今後、加速度的に進んでいくことが予想されます。